ギリシャ各地でデモ、死者も EU首脳会議に合わせ緊縮策に抗議
アテネ(CNN) 財政問題が深刻化しているギリシャ各地で18日、厳しい緊縮策に反対するゼネストやデモが行われ、多くの交通機関がストップするなど混乱が広がった。
首都アテネではデモ隊が警察署に向かって平和的なデモなどもはや不可能だと叫び、石やびんを投げつける事態も起きた。
デモは、18日にベルギーのブリュッセルで開催中の欧州連合(EU)首脳会議に合わせて行われた。会議では、債務危機を克服し持続可能な成長を実現するために欠かせない、ユーロ圏諸国の統合強化に向けた話し合いが行われる。
ギリシャのサマラス首相は首脳会議で、追加支援の条件となっているさらなる歳出削減について先延ばしを求める見込みだ。
景気後退が続き失業率が25%を超えるギリシャでは、厳しい財政緊縮策は多くの国民の反発を招いている。労組の呼びかけによるゼネストが行われるのはこの1カ月で2回目だ。
警察によれば、18日のアテネでのデモには約3万人が参加し、一部が暴徒化した。労組によれば65歳の男性がデモの途中で意識を失い、死亡したという。この男性は投石騒ぎなどには加わっていなかった。
デモ参加者の中には、スペインやポルトガルの旗を振り、ギリシャ同様緊縮財政策の下で苦しむ両国との連帯感を示そうとする者もいた。