中国、南シナ海は「自国領」の新旅券発行 ベトナムなど反発
ジャカルタ(CNN) 中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部加盟国などが領有権を争う南シナ海の問題で、中国が新たに発行した旅券に南シナ海を自国領として刷り込んでいることが2日までにわかった。主権を争うベトナムなどが強く反発している。
ベトナムはこの旅券を認めず、無効のスタンプを押すと共に中国人旅行客に入国査証関連書類を別途手渡しているという。
米国務省は27日、旅券の作り方は各国の自由な権利として、中国の新旅券は合法的との見方を示した。ただ、ヌーランド報道官は他国を怒らせるような措置を選ぶことが政治的に賢明な判断なのかは別問題とも述べた。
南シナ海問題では、中国がほぼ全海域の、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、マレーシアと台湾が一部海域の主権を主張している。中国はベトナムやフィリピンとの間で過去に艦船を動員しての海上衝突を起こしたこともある。
タイの外交官出身であるスリン・ピッスワンASEAN事務局長は英紙フィナンシャル・タイムズとの会見で南シナ海問題に触れ、緊張緩和の方途を見いださなければ、武力衝突が起きて地域の不安定化を招くアジアの「パレスチナ問題」になる恐れがあると警告。