中国が抱える5つの課題 専門家に聞く
香港(CNN) 中国の胡錦濤(フーチンタオ)国家主席は今月開催された第18回共産党大会で、党にまん延する不正や腐敗について、「共産党を崩壊させ中国を没落させかねない」として厳しく批判した。
5年後の次期党大会では、新たに選出された習近平(シーチンピン)総書記が、この世界最大の人口を擁する国が抱える諸問題について考えを表明することになる。
CNNは5人の専門家に、中国が直面する喫緊の課題は何かを聞いた。
1.派閥と既得権益
今年の共産党大会開催に伴い、政治局常務委員会内部でのイデオロギーや人間関係などによる微妙な派閥区分について多くの分析がなされた。だが派閥対立が共産党を改革へと導く決定要因になるのだろうか。
香港中文大学のウィリー・ラム助教授によると、1949年の中華人民共和国建国前から共産党内にはイデオロギーによる路線対立があり、1989年の天安門事件の前後まではそれが改革の道筋を決める重大な役割を果たしていた。
だがその後様相が変わってきたという。90年代初めからは、江沢民(チアンツォーミン)前国家主席が率いる「上海閥」、胡錦濤現国家主席が率いる共産主義青年団派、党老幹部の子弟からなり習近平次期国家主席が率いる「太子党」という3大派閥が形成された。