中国が抱える5つの課題 専門家に聞く
3.領土紛争
国際紛争に関する提言等を行う非政府組織(NGO)「国際危機グループ」のステファニー・クラインアルブランド氏は、領土紛争において、中国は右の頬を打たれたら左の頬を差し出すような国ではないものの、「平和的な台頭」原則を放棄したという印象を国際社会に与えることは避けたがっていると分析する。
中国は今、挑発とみられる行為に対して自己の立場を断固として主張して対応する方針を採っていると同氏は指摘。これにより、現状をより自国の利益に沿う形に変えようとしていて、東シナ海での日本による尖閣諸島国有化への反発はその例だと語る。
4.男女比率の偏り
中国政府は人口急増を食い止めるために、1970年代末に一人っ子政策を導入した。それ以降、男子を生むのを好む風潮を背景に、新生児の男女比に大きな偏りが生じた。何百万人もの男性が配偶者を見つける見通しが立たないと、豪ニューサウスウェールズ大学のロブ・ブルックス教授は語る。
韓国にならい、性別に基づいた偏った人工妊娠中絶をなくすことが中国にとって喫緊の課題だと同氏は指摘する。