ローマ法王、前法王を訪ねて初会談
イタリア中部カステルガンドルフォ(CNN) 新ローマ法王フランシスコ1世は23日、ローマ郊外のカステルガンドルフォに滞在している前法王ベネディクト16世を訪ねて会談した。
法王庁によると、新旧法王が対面するのは異例。法王は選出後、前法王と何度か電話で話したが、直接会うのは初めてだった。
法王はヘリコプターでカステルガンドルに到着し、出迎えた前法王と抱擁を交わした。町の広場には1500~2000人が集まり、上空のヘリコプターに手を振って歓迎した。
2人は車に乗って、前法王が滞在する離宮へ向かった。チャペルに並んで祈りをささげた後、書斎で約45分間会談した。法王庁が公開したビデオは、2人がしっかりと手を握り合ってあいさつする姿を伝えた。ベネディクト16世がつえの助けを借り、ゆっくりとチャペルに入る場面も映っている。
法王庁の報道官によると、2人の間には「暖かく、和やかな」雰囲気が流れていた。会談の内容は公表されていないが、前法王が新法王に引き継いだ機密文書流出事件の調査報告書や、法王庁の人事などについて話し合ったのではないかとみられる。
前法王は先月末の退位と同時にこの離宮へ移ったが、バチカンにある修道院の改修工事を待って、4月末までにはそちらへ戻る予定だ。
フランシスコ1世は31日の復活祭を前に、多忙な1週間を送る見通し。28日の「聖木曜日」には、従来バチカンの聖ヨハネ・ラテラノ大聖堂でささげられてきたミサを、ローマのカサル・デル・マルモ少年院で執り行うことになっている。