マラリア流行で死者800人近く、当局対応に批判 カメルーン
(CNN) アフリカ中部カメルーンの北部でマラリアが流行し、これまでに800人近くが死亡している。過去3週間で死亡した犠牲者の大半は、幼い子どもと妊婦だという。医師の診察を受けた患者は1万2000人を超えた。
同国北部のマルアでは、豪雨と洪水のためにマラリアを媒介する蚊が大量に繁殖した。同地で2000人以上の患者を診察したマラリア専門医は、「深刻な流行が突然発生した。終わりは見えない」と話す。
同国のメディアは30日、政府がマラリア流行についての情報を周知させず、国際援助も要請しなかったとして批判した。
保健省によると、容体が悪化して入院した患者は1万2000人を超えた。しかし感染者の治療に当たる施設は10カ所にも満たず、何千人もの子どもや女性が満員状態の部屋などで蚊帳もないまま寝かされているという。
マルアの男性は患者で満杯の病院の状況について、「自分の子ども3人がここで死んだ。妻は木からつるした点滴をして寝かされている」「地元の公立病院にはマラリアを処置できる免許を持った医師が数えるほどしかいない」と訴えた。
同国の医療統括組織の推計によると、カメルーンには患者4万人に対して1人の割合でしか医師がいない状況だ。診療を行っている医師の数は1000人に満たず、環境は劣悪で報酬も低いという。