マラリア流行で死者800人近く、当局対応に批判 カメルーン
11月6日で就任から31年目を迎えるビヤ大統領は、自分のための記念行事の準備に忙しく、マラリアの死者が増え続ける現状を無視しているとの批判も強まっている。
専門家によると、蚊が大量繁殖する一因となった北部のチャド湖の氾濫(はんらん)は現在も続いており、洪水を食い止めるための堤防も築かれていないという。
カメルーンでは2010年、マラリア予防のための蚊帳が約900万人に無料で配布された。しかし景気が悪化し食料が不足する中で、一部の世帯は魚をとるなど家族のための食料確保の目的でこの蚊帳を使うようになった。
公衆衛生の専門家は、マラリアの流行を食い止めるため、蚊帳を魚捕りに使うのではなく就寝時に使うよう呼びかける啓発活動をマルアで始めた。
しかし当局は、直ちに国際援助を受けなければ、死者は数週間以内に数千人に達すると危機感を募らせている。
世界保健機関(WHO)によれば、マラリアに感染して死亡した人は、2010年で全世界で66万人を超えるという。