「トランスフォーマー」対「香港暴力団」、新作撮影で逮捕者
香港(CNN) 香港の警察は27日までに、米人気映画「トランスフォーマー」の新作撮影のスタッフから金を脅し取ろうとした地元の男1人を恐喝容疑で逮捕、逃走した3人の行方を追っていることを明らかにした。
4人は22日、九竜地区の建物屋上のロケ地を調べていたスタッフを脅していた。要求した金額は不明。
新作の「Transformers:Age of Extinction(原題)」は香港で製作が進んでいるが、17日には街頭撮影に絡む「迷惑料」の支払額をめぐりマイケル・ベイ監督が男に襲われる事件も起きていた。
両事件にはいずれも地元の組織犯罪集団「トライアド」の構成員が関与しているとされる。
映画の製作者側は、撮影のために一時の立ち退きなどを求めた露店全店の関係者に相応の「迷惑料」を支払った。しかし、迷惑料の4倍の支払いを要求した男が17日、ベイ監督を冷房装置の部品で襲う事件が発生。同監督は、脅しには屈しないと男を追い返したことを恨まれた末の犯行と受け止めている。
男は監督の顔に部品をたたき付けようとしたが、ベイ氏は身をかわして、男を押し返していた。男は約1万3000米ドル(約126万円)の迷惑料を強要したとされる。この事件で逮捕された兄弟2人はトライアドの構成員とされる。
香港警察の統計によると、密輸、売春や違法賭博などを資金源とするトライアド絡みの犯罪件数は2010~12年の間、約15%増加。今年上半期が対象の最新数字では計988件となった。過去10年を見た場合、上半期の数字としては2番目に低いが、実際の犯罪行為はより多いとの指摘もある。
同警察の捜査部門の元幹部はトライアドが地元の映画産業を長年にわたって支配している現状にも言及。「脅しで金を奪っているだけでなく、映画スターや配給も牛耳っている」と指摘した。