メガシティーの興隆 すべては「都市」から
世界中の都市から収集した膨大なデータを分析した結果、すべての尺度で驚くほど似たような傾向が見られたのだった。
つまり、世界のどこでも、ある都市システム内の都市の人口が分かれば、80~90%の正確さで、平均収入をはじめ、エイズウイルス感染者の数や犯罪率、ガソリンスタンドの数や道路の長さといった数字を予想することができるのだ。
歴史、地理、文化、いずれも異なるにもかかわらず、それぞれの都市の個別性を超越する普遍的な法則が存在したのである。
都市を構成しているのは結局のところ人間でありそのネットワークである。人間の場合と一緒で、すべての都市はいわば同一の「遺伝子」(DNA)を共有している。すべての都市は根本的には社会的ネットワークであり、複雑適応系であり、地理や政治制度や経済モデルが異なっていても、同一の振る舞いをみせるのである。
この知見をメガシティーに敷衍(ふえん)するとどうだろう。メガシティーの未来とはどのようなものだろうか。安易な予想はできないが、世界を見渡せば、都市のダイナミズムを理解するのがいかに重要であるかという教訓がえられる。
中国とアメリカを例に取ろう。