北朝鮮、拘束の85歳米国人を「追放」 人道配慮を理由に
(CNN) 北朝鮮の朝鮮中央通信は7日、今年10月の観光旅行中に敵対行為を働いたとして拘束した85歳の米国人男性メリル・ニューマンさんを国外退去処分にしたと報じた。人道的見地からの措置としている。
誤った理解による行為を認めて謝罪し、深い反省を表明したことに加え、高齢と健康状態も考慮し追放したと伝えた。
オバマ政権高官は、訪韓中のバイデン米副大統領が電話でニューマンさんと話し合ったとも述べた。ニューマンさんの子息によると、父は米国へ向かったという。
米国務省のハーフ副報道官は短文投稿サイト「ツイッター」で、米大使館館員が北京空港にニューマンさんを出迎え、必要な領事手続き全てで便宜を図ったと述べた。北朝鮮当局による今回の措置を歓迎もした。
北朝鮮は先月30日、ニューマンさんが従軍した朝鮮戦争での自らの行動を謝罪したとの声明を発表。戦争中に多くの民間人や北朝鮮兵士を殺害、北朝鮮政府と住民に対しぬぐい切れない攻撃的な行為を犯したとの拘束理由を初めて明かしていた。
また、関連記事で、同氏は北朝鮮に対する諜報(ちょうほう)や破壊活動を行うスパイやテロリストの確保を画策したと主張。証拠もあるとし、ニューマンさんが全ての犯罪行為を認めて謝罪したとした。
米カリフォルニア州居住のニューマンさんの家族によると、同氏は平壌から帰国する際、航空機から連行されていた。
北朝鮮はニューマンさんとは別に、昨年11月、韓国系米国人ケネス・ペ(ペ・ジュンホ)氏を昨年11月、敵対犯罪の罪で逮捕して15年の労働教化刑を言い渡し、拘束を続けている。ハーフ副報道官は北朝鮮に対し人道的見地からの同氏の恩赦、即時解放も求めた。