エチオピア航空機乗っ取り、副操縦士を逮捕 スイス
(CNN) イタリア・ローマに向かっていたエチオピア航空の旅客機が乗っ取られた事件で、同機は17日早朝、スイスのジュネーブ国際空港に着陸した。警察は30代前半のエチオピア人の男を逮捕。乗客乗員202人は無事だった。
エチオピア航空702便(ボーイング767-300型機)は同国の首都アディスアベバからローマに向かう途中で乗っ取られた。スイスの警察によると、機長がトイレに立ったすきに、副操縦士がコックピットに立てこもって同機を乗っ取り、針路をジュネーブに変更したという。
同機はジュネーブの上空を旋回しながら、管制塔に亡命を許可するよう要求したとされる。
ジュネーブ国際空港に着陸すると、副操縦士は「私は窓から降りる」と管制塔に告げ、ロープでコックピットの窓から脱出して警察に拘束された。武器は持っていなかったという。
副操縦士は警察の調べに対し、エチオピアで身の危険を感じ、スイスで亡命を申請するつもりだったと供述している。乗客が脅されたり危険にさらされたりする事態にはならなかったという。
ジュネーブ国際空港は事件への対応に当たっている間、一時的に閉鎖されたが、同日の午前中に再開された。
エチオピア航空の旅客機は1996年にもオーストラリアへの亡命を要求する集団に乗っ取られる事件が起きている。この時は燃料を使い果たしてインド洋に墜落し、125人全員が死亡した。