北朝鮮幹部3人が韓国を電撃訪問、南北高官会談開催へ
ソウル(CNN) 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記の健康不安説が流れるなか、体制の最高幹部ら3人が4日、突然韓国を訪問し、10月末から11月初めの間に南北高官会談を開く用意があると表明した。
訪韓したのは、金第1書記に次ぐナンバー2とされる黄炳瑞(ファンビョンソ)・軍総政治局長と、今年5月に同ポストから解任されて党書記に就任した崔竜海(チェリョンヘ)・国家体育指導委員会委員長、対韓政策を担当する金養建(キムヤンゴン)・朝鮮労働党統一戦線部長。韓国・仁川で4日行われたアジア大会閉会式に出席するためとして、韓国当局に前日連絡があり、韓国側はその日のうちに訪問を許可した。
これほど高位の人物がそろう訪韓は異例とされ、韓国のメディアは一行の動きを生放送で伝えるなど、大きな関心を示した。
黄局長らは閉会式出席の後、韓国当局者らとの昼食会に臨み、韓国の金寛鎮(キムグァンジン)・国家安保室長、鄭ホン原(チョンホンウォン)首相らと会談した。
北朝鮮が最近、南北関係の改善に積極姿勢を示している背景には、韓国による経済制裁の解除をはじめ、経済的な狙いがあるとの見方が強い。
金正恩氏は先月末の最高人民会議(国会に相当)を欠席するなど、このところ公の場に姿を見せず、健康状態を巡って憶測が飛び交っている。体制内部で父親の故金正日(キムジョンイル)総書記に近かった勢力が現在も実権を握り、正恩氏が指導者として認められていないとの情報もある。