ベネズエラ当局、首都市長を逮捕 クーデター関与の疑いか
(CNN) ベネズエラ政府の情報当局は19日、首都カラカスのアントニオ・レデスマ市長を逮捕した。情報筋によると、逮捕容疑は政府転覆計画への関与だという。野党指導者らは不当な逮捕だと非難した。
ニコラス・マドゥロ大統領はテレビ演説で、市長が起訴され、「自分が犯した国の平和、安全、憲法に対するすべての犯罪の責任を負うことになる」と語った。
逮捕時の状況に詳しいベネズエラ軍の情報筋によると、レデスマ市長は、マドゥロ大統領が先週主張した、政府転覆計画に関与した容疑で拘束されたという。市長は容疑を否定し、政府が論争をでっち上げ、政敵を標的にしていると批判した。
市長のオフィスはCNNスペイン語放送の取材に対し、150人以上の要員が「急襲」したと言及。同じ建物にいた野党議員はその様子を目撃し、自分も押しやられて「銃を向けられた」と述べた。市長の妻は短文投稿サイト「ツイッター」上の市長のアカウントを通じて、市長が暴行を受け、令状なしに拘束されたと述べた。
マドゥロ大統領はテレビ放送で、ベネズエラ政府は、軍用機による大統領官邸への攻撃など、米国の支援を受けたクーデター計画を阻止したとの主張も繰り返したが、米国務省は「事実無根の誤った主張」と強く反論した。
国務省のサキ報道官は19日夜、「米国は、ベネズエラの混乱を助長しておらず、ベネズエラ経済や政府を弱体化させようともしていない。米国はベネズエラ最大の貿易相手国だ」とし、さらに「ベネズエラの経済と政治の問題は、同国政府の失政の結果だ。ベネズエラ政府は、経済や政治の問題から注意をそらそうとするのをやめ、国民との民主的対話を通じた真の解決策の模索に注力すべきだ」と述べた。