ナチス占領に伴うドイツの賠償額は36兆円、ギリシャ主張

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ロンドン(CNNMoney) 深刻な財政難に陥り、欧州連合(EU)などの金融支援に頼るギリシャ政府は9日までに、第2次世界大戦中のナチス・ドイツ占領による被害に対するドイツの賠償額は「2790億ユーロ」に達するとの見方を示した。

現在の為替相場では約36兆3000億円相当。ギリシャは2010、12両年、自国への金融支援の国際協議でドイツの賠償金問題に言及したことがあるが、具体的な金額に触れたのは今回が初めて。

ドイツ政府はこの問題は決着済みと一蹴(いっしゅう)している。ギリシャは現在、債務返済のための金策に追われており、EUは金融支援延長の条件として財政緊縮策の維持などを要求。国内で不人気の緊縮策はドイツが主導していると受け止められ、ギリシャ内では反独感情も高まっているとされる。

ギリシャ政府はドイツに対し公式な賠償額は要求していない。ただ、同国内の世論調査では支払い要求に対する支持率は高い。ギリシャのチプラス首相はドイツ側が支払いに応じない場合、ギリシャ内のドイツ資産の没収に踏み切る可能性にも言及したことがある。

ドイツは1960年、賠償協定に基づきギリシャに約1億1500万マルクの支払いを完了。また、強制労働などナチス占領で被害を受けた個人に賠償金を直接払ったこともある。

ドイツ政府は、賠償金問題は1990年の東西ドイツの統一にもつながった国際協定の締結で解決済みであり、ギリシャ政府は当時、この協定に異論を挟まなかったと主張している。

一方、チプラス首相は今年3月、1960年の協定による賠償金はナチスの犠牲者が対象であり、国家自体が受けた損害は考慮されていないと主張。同月には賠償額の規模などを決める委員会も設置していた。

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