4月22日に中国の遺跡、万里の長城の最東端に位置する丹東付近で越境した。2重の鉄条網を越え、農地を横切ると川があった。その川に沿って歩いている時、兵士らに拘束された。
「拘束されたいと思っていた」と、チュ氏は話す。「私が北朝鮮に入ることによって、何か素晴らしい出来事が起きるかもしれないと考えた」と主張する一方、それがどんな出来事かは分からないと述べた。
拘束後は家族や米当局、韓国当局と連絡を取っていないため、外部へ向けた発言はCNNとのインタビューが初の機会となった。「両親たちが心配するのも分かるが、その必要はないと言いたい。非常に人道的な扱いを受けている」「健康状態は良好で、食事も十分に与えられている」と話す。ただしテレビやラジオの視聴はできず、インターネットや電話も使えない。訴追されるかどうか、今後家族との接触を認められるかどうかといった見通しについては聞かされていないという。
北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は今月2日になってチュ氏の拘束を報じた。韓国統一省の報道官は4日の定例会見で「チュ氏を家族のもとへ帰すよう、北朝鮮に強く求める」と述べた。
CNNは3日、スパイ容疑で北朝鮮に拘束されている韓国人2人にもインタビューした。その場には北朝鮮当局者が立ち会い、2人はそれぞれ不法行為を認めた。韓国政府はこの2人についても解放を求めている。