北朝鮮の収容所で殺人や飢餓、拷問など大規模な人権侵害が横行しているとした国連の報告書については、そのような収容所は存在しないと反論。犯罪者の矯正施設は存在するものの、政治犯の収容所は存在しないと語り、「我々の社会には政治的対立や派閥や政治的分裂は存在しない。つまり、『政治犯』という用語はない」と強調した。
さらに、そうした証言を行う脱北者は米国や韓国によって脱北をそそのかされたり強要されたりした人物だとも述べ、「いわゆる脱北者の中には犯罪者もいる。国家に対する罪を犯したために逃亡せざるを得なくなったのだ」との見解を示した。
人権問題では米国にも矛先を向けた。「米国では多くの黒人が警察に殺害されたことを受けて人種暴動が起きている。刑務所はいっぱいで、新しい拷問の手段が使われている」
核開発に話が及ぶと、北朝鮮のミサイルには米本土を攻撃できる能力があるとし、米国が圧力をかけてくるなら核兵器の使用にも踏み切ると言明。「我々は米国の脅威に対抗するため核防衛に多額を投じた。これだけの額をほかの分野に投資すれば経済を発展させることもできたかもしれない。だがこの戦略的決断は正しかった」と主張した。
その上で、「北朝鮮は今や政治的、イデオロギー的、軍事的に大国である。最後に残った目標は強力な経済大国になることだ」と力説した。