米軍のシリア穏健派の訓練難航、100人以下で脱退者も多数
ワシントン(CNN) 米軍が過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」への対抗戦力としてシリア反体制派の穏健派の訓練を続けている問題で、米国防総省高官は2日までに、訓練への参加者が100人以下に減少し、計画が難航していることを明らかにした。
多くの訓練参加者が取り除かれている事態を指摘し、低年齢の問題や体力不足などを理由に挙げた。CNNの取材に応じた同高官によると、数週間の訓練を受けた多数の参加者がシリアでの戦闘任務を拒み「除隊」した事例もあった。
参加者の大多数がISIS掃討よりシリアのアサド政権と闘うことを望む意思表示をしているという。
穏健派の訓練計画は1年前に発表され、5億ドル(約617億円)の資金を投入している。訓練参加者の確保などの課題も抱えており、3年間にわたり年間3000〜5000人の参加者を見込むオバマ米政権の目標の達成は無理との見方も出ている。
カーター米国防長官は最近の米議会の公聴会で、精神的もしくはイデオロギー的に訓練への適正な参加者を選別するのは非常に難しいことを認めていた。
ただ、国防総省当局者は訓練計画をあきらめたわけではないと主張。訓練への志願者に不足はないとし、過去10日間で1000人以上が応募したことも明らかにした。