英仏海峡トンネルに移民2千人が侵入図る 負傷者も
(CNN) 英仏海峡トンネルのフランス側の入り口で27日夜、移民2000人が英国へ渡ろうと侵入を図った。仏当局者とトンネルの運営会社ユーロトンネルが明らかにした。
仏当局とユーロトンネルの職員らがトンネル内に入って阻止したという。数人の負傷者が報告されている。
トンネルは全長50キロで、仏北部カレー近郊と英南東部フォークストーンをつなぐ。
英国のメイ内相は、英仏両国が協力して移民らを西アフリカなどへ帰還させることで合意したと述べ、「この方法で欧州へ移住するのは不可能だということを周知させたい」と語った。
カレーには以前から英国を目指す不法移民が多数押し寄せている。24日には、英国側へ渡ろうとしていたアフリカ北東部エリトリア出身の女性(23)が車にはねられて死亡。今年6月以降、この地域で死亡した移民は8人目となった。
女性の死をきっかけに、地元当局は安全策の強化を発表した。移民らが夜間、英国に向かうトラックに飛び乗ろうとするケースも後を絶たないため、カレー周辺の道路に防護フェンスや照明を設置する対策も進められている。
メイ内相は、英仏両国がトンネルの警備に多くの資金を投入していると強調した。
一方でフランスのカズヌーブ内相は、英仏での対策にとどまらず、問題の根本原因を探るべきだと指摘。「カレーの問題を解決するには、人々をここへ連れてくる業者の動きを阻止しなければならない。さらに移民の出身国からたどる必要がある」と述べた。