シリア政府軍が反体制派を空爆 82人死亡、250人負傷
(CNN) シリアの首都ダマスカス近郊の町ドゥーマが16日、政府軍に空爆され、少なくとも82人が死亡、250人あまりが負傷した。シリア人権監視団(本部・ロンドン)や現地の活動家が伝えた。
ドゥーマはダマスカスの約15キロ北東にあり、反体制派が制圧している。ソーシャルメディアには同日、空爆直後の現場を撮影したとされる映像が投稿された。大きな煙が立ち上る様子や、路上に放置された遺体、逃げ惑う人たちの姿が映っている。
シリア人権監視団や地元の通信社、ドゥーマ市内の活動家などによると、市場は複数回の空爆を受けて多数の死傷者が出た。報道活動家のアブダラ・シャミ氏は「救急車が足りず、通報を受けても出動要請に応え切れない。負傷者の数が野戦病院の対応能力を超えている」と話す。
活動家でつくる「シリア革命ネットワーク」はツイッターで、「アサド政権による市場爆撃は2015年に入って50回目。ドゥーマは4日間で2度の爆撃を受けた」と伝えた。
アサド政権寄りの国営SANA通信は、まだこのニュースを伝えていない。
シリアでは2011年以来、内戦が続き、国連の7月の統計によれば400万人以上が周辺国に逃れて難民になった。シリア国内の避難民は少なくとも760万人に上り、国民の半数以上が自宅からの避難を強いられたことになる。死者は20万人を超えている。