ロシア、イランにミサイル防衛システム売却か 米が懸念
ワシントン(CNN) 米政府当局者は20日までに、ロシアがイランに対し最新型のミサイル防衛システムを売却する交渉を進めていることへの懸念を表明した。
米国やイスラエルがイランの核関連施設の空爆に踏み切った場合、イラン領空への侵入が困難になりかねないと危惧。このミサイル防衛システム「S−300」のレーダーやミサイルの破壊に踏み切れば、自国への攻撃が差し迫っているとイランに察知されるとも指摘した。
米国務省のカービー報道官は、米国はこれまでイランへのS−300売却に対し極めて明瞭に反対の立場を示してきたと主張。今後も事態の推移を注視すると述べた。
ロシアによる売却交渉は近く完了する兆候もあるという。イランの革命防衛隊の幹部が最近、ロシアを訪問したことが判明し、米国のケリー国務長官はロシア当局に対し懸念を直接表明している。ただ、同幹部の訪ロがミサイル防衛システム売却の決着が目的だったのかは不明となっている。
国連安全保障理事会の常任理事国にドイツを加えた6カ国とイランは最近、イランの核開発問題で最終合意していた。米連邦議会がこの合意の是非を審議中だが、共和党は合意はイランによる兵器獲得などにつながるとして反対する姿勢を示している。国連によるイランへの武器禁輸が将来的に解除されることへの警戒も強い。
カービー報道官によると、国連による武器禁輸は攻撃的な兵器が対象となっている。S−300は性能的に防御用兵器に分類されており、輸出は認められているという。