日本、70年続いた平和主義から方針転換へ
こうした潜在的なリスクが東京の街頭で怒りを引き起こした。法案の反対者は、戦後70年間続いた平和主義が十分な公開討論を経ずに放棄されようとしていると嘆く。実戦経験のない軍隊を戦場に送り込む可能性に懸念を示している。
この数週間、国会議事堂の前では数万人規模の反戦デモが繰り広げられた。デモの規模としては過去50年あまりで最大級で、学生や教師、労働者や退職者、子どもや高齢者まで幅広い層が参加した。
仕事着や学生服のまま参加する人もいれば、Tシャツやバンダナ姿で「戦争反対!安倍反対!」といったスローガンを掲げて参加する人もいた。安倍首相の支持率は、安保法案通過への強行姿勢からこの数カ月間低迷している。
中には安倍首相の写真にヒトラーのような口ひげを添えたり、額にナチスのかぎ十字を描いたポスターもあった。このようなデモ参加者は安倍首相を「独裁者」と見ている。
情報技術者のシダ・ヒデノリさん(65)は、日本の銃弾が将来他国のだれかを殺すことになるのではないかと危惧を抱いていると語った。「日本は二度と戦争をしないと誓った」「日本は過去70年間誰も殺さなかった。この法案は許されない」