トルコ軍、領空侵犯機を撃墜 無人機か
(CNN) トルコ軍は16日、シリア国境付近のトルコ領空を侵犯したとして、国籍不明の航空機1機を空軍が撃墜したとの声明を出した。報道によれば無人機(ドローン)とされている。
声明によると、トルコ空軍が3度警告を発したものの反応がなかったため、同機を撃墜したとしている。
米国防総省の当局者2人は、初期段階の報告によると撃墜されたのはロシアの無人機とみられるものの、さらなる情報の分析を続けていると述べた。
ロシア機は先ごろ、2度にわたりトルコ領空を侵犯している。
ロシア国防省はフェイスブックを通じ、同国のドローンが撃墜されたとの報道を否定。ロシア機はすべてシリア国内での作戦から帰還したほか、ドローンも空からの偵察任務を続けており「計画通りに機能している」としている。
ロシアは最近、シリア内戦に介入しアサド政権を支援。過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」や他のテロリスト集団に対し、アサド政権と連携して空爆を行っている。これらの標的は広く「反政府勢力」として捉えられている。
トルコはアサド政権とISISの両方と対立しており、同国政府は最近、ISIS空爆を行う米国に対し、南部のインジルリク基地の使用を許可した。米国もISIS、アサド政権の両方と対峙(たいじ)する立場を取っている。
ロシアのドローン開発は、長年にわたり停滞し西側諸国の遅れを取ってきたが、最近になって再び表舞台に出てきた。9月、空爆に先立つシリア国内での軍備増強の一環でドローンの配備を開始したほか、ウクライナでの使用も報告されている。
軍事専門誌IHSジェーンズの専門家によると、ロシア軍と治安部隊は約800機のドローンを保有。武装はしておらず、情報収集や偵察が主な目的とみられている。