マリ首都でホテル襲撃、21人死亡 イスラム武装勢力が犯行声明
ラディソン・ブルはバマコ近郊の高所得者層の住宅地にあるホテルで、外交官や企業経営者が集まる国際的な滞在拠点として知られる。国連部隊のトップ、モンギ・ハマディ氏によると、19日に始まった外交官会議が襲撃の理由となった可能性がある。
マリでは2012年3月に軍部がクーデターを行った後の混乱に乗じ、アルカイダ系のイスラム過激派がマリ北部の大部分を制圧。以降、イスラム過激派との戦いに追われてきた。
過激派勢力が南部進出の構えを見せたことを受け、旧宗主国のフランスはマリ政府の要請により13年、軍事介入を開始。兵士ら数千人を投入し、過激派勢力を北部から掃討した。国連は同年、マリに平和維持部隊を派遣し、和平協議の継続のために安定した政府を維持することを目指していた。
ただ、米ワシントンに拠点を置くシンクタンク、アトンティック・カウンシルのアフリカ部門責任者、ピーター・ファム氏によると、イスラム過激派は都市部からは掃討されたものの、砂漠地帯で勢力を再結集。国連関係者らが集まる同ホテルは「不幸なことに格好の標的になっている」と指摘した。
フランスは人質救出作戦の訓練を受けた特殊部隊をマリに派遣したほか、米国の特殊部隊も民間人の避難に協力。オランド仏大統領はパリで記者団に対し、マリの状況打開を助けるため、「必要な支援」を提供すると約束した。
マリでは今年8月にも、中部セバレのホテルでイスラム過激派によるとみられる人質事件が起き、12人が死亡していた。