英議会、トランプ氏の入国禁止を審議へ 市民の署名運動受け
ロンドン(CNN) 英国議会の下院は7日までに、米大統領選の共和党指名候補争いに出馬し、米国へのイスラム教徒入国禁止などを唱えて物議を醸す実業家ドナルド・トランプ氏の英国への入国禁止に関する審議を今月18日に予定していることを明らかにした。
下院の報道担当者がCNNに述べた。同氏の英国訪問禁止を求める英国内での市民の署名が56万8000人以上に達したことを受けた措置。入国禁止を促すインターネット上の請願は昨年12月8日に出されていた。英国議会では10万人の署名が集まった場合、審議の対象となる。
請願では、英国は過去に一部の国や民族などへの差別的な言動(ヘイトスピーチ)を行う人物の入国を禁じた例があり、同様の原則を入国を求める全ての人物に適用すべきだなどとしていた。
英国政府は先週、メイ内相は特定の人物が英国内に滞在すれば公共の利益に資さないと判断した場合、共同市場である欧州経済地域加盟国以外の出身者の入国を拒否出来る権限を有するとの声明を発表。ただ、内務省がトランプ氏にこの権限を適用させるかどうかには触れなかった。
イスラム教徒締め出しの言動を受け、英国のキャメロン首相は「馬鹿げている」「敗者」などと非難していた。
トランプ氏は英国内でも事業を手掛けており、スコットランド・アバディーンでゴルフ場を経営する。同氏の中核企業は英国内で渡航規制の動きが表面化した後、同国内での投資活動などに関する声明を発表。「渡航を制限する全ての行動は英国内で検討している将来的な事業の即時停止を強いるだろう」と牽制(けんせい)していた。