パリの警察署に刃物男、警官が射殺 シャルリー襲撃から1年
(CNN) フランスのパリ北部で7日、刃物を持った男が警察署に入ろうとして、警官に射殺された。この日は風刺週刊紙「シャルリー・エブド」が襲撃された事件から1年目にあたっていた。
パリ検察によると、男は同日午前11時半ごろ、料理包丁を振りかざし、「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫びながら警察署に入ろうとした。偽の爆弾も持っていたという。
男の身元は分かっていない。遺体からは紙に印刷された過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の旗と、アラビア語で書かれた手書きの犯行声明が見つかった。現在、テロ対策部門が捜査に当たっている。
カズヌーブ内相は記者会見で、男の身元や動機について調べていると語った。
パリでは昨年1月7日、銃を持った2人の男がシャルリー・エブドのオフィスで12人を殺害。その後も警官が銃撃されたりスーパーマーケットで買い物客などが人質に取られる事件が相次ぎ、さらに5人が死亡した。
11月13日にはコンサート会場や飲食店などを狙った同時テロで130人が死亡し、パリ市内は厳戒態勢が続いていた。オランド大統領はこの事件を受けてISISに対する戦争を宣言、シリアとイラクでのISIS空爆を強化した。
シャルリー・エブドの元記者、キャロライン・フーレス氏は今回の事件について、「ISISやアルカイダがフランスだけでなく欧州で(こうした攻撃を)そそのかしている」と述べ、欧州がイスラム過激派の脅威にさらされる日常は「まだ始まったばかり」だと指摘。「シリアから命令を受ける人物が接触を絶たれない限り、あと何年もこうした状況が続くだろう」と予想する。
そうした時だからこそ、シャルリー・エブドの風刺画のようなユーモアがぜひとも必要だとも言い添えた。