トルコ大統領、米のクルド支援を非難 「血の海もたらす」
(CNN) トルコのエルドアン大統領は10日、米国によるシリア国内のクルド人民兵組織への支援が、シリアが「血の海」となっている一因だと非難した。トルコは同組織をテロ組織だとみなしている。
トルコの国営メディアによれば、エルドアン大統領は村落指導者の集会で「何度も言ったはずだ。あなた(米国)はわれわれの側にいるのか、テロ組織の味方なのか」と述べたという。
きっかけは、米国務省のカービー報道官が8日、米政府はクルド人民兵組織をテロ組織とみなしておらず、今後も支援を続けるとした発言だ。
カービー報道官は「クルド人部隊はシリアにおける過激派『イラク・シリア・イスラム国(ISIS)』掃討で大きな戦果を上げている。米国は主に上空からの支援を行っており、今後も支援を続ける」と述べた。
だがこの民兵組織はシリアにおけるクルド人組織・民主統一党の軍事部門であり、民主統一党はトルコで非合法とされるクルド人武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)の一派とみられている。
トルコからの独立を求めるPKKは以前からトルコ政府と対立、軍事衝突を繰り返している。エルドアン大統領は米政府当局者について「われわれの面前では何も言わないが、よそでは別のコメントをしている。これがどういう種類のパートナーシップなのか理解することは不可能だ」と述べた。
トルコは対ISIS作戦で大きな役割を果たすようになってきており、米軍主導の有志連合の戦闘機は、トルコの空軍基地から出撃し空爆を行っている。