米海軍、航行の自由作戦続行を言明 南シナ海問題で
ワシントン(CNN) 米軍のマーク・リチャードソン海軍作戦部長は26日、南シナ海に関するオランダ・ハーグの仲裁裁判所の判決を受け、米国は今後も南シナ海で航行の自由作戦を継続すると言明した。
中国訪問を終えて帰国したリチャードソン氏は、中国に対し、米国が今後も南シナ海の上空と海上での活動を続ける姿勢を断固として示したと語った。
南シナ海を巡っては、ハーグの仲裁裁判所が今月、大部分について中国が領有権を主張する法的根拠はないと認定。これに対して中国は判決の無効を訴え、領有権の主張を崩していない。
ジョン・ケリー米国務長官は東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムに出席後、ラオスの首都ビエンチャンで講演し、南シナ海を巡る紛争の平和的な解決が「絶対的に重要」だと強調。米国が紛争当事者のいずれか一方の側に付くことはないとした上で、「我々は法の支配と法的手順、違いを乗り越える外交努力を支持する」と語った。
同フォーラムでは中国の王毅(ワンイー)外相との間で、米中がこの問題をどう扱うかに関して「建設的な会談」を行ったと説明した。
リチャードソン氏は、中国が南シナ海上空に防空識別圏(ADIZ)を設定する動きや、フィリピン近海のスカボロー礁に人工島を建設する動きを見せれば、米国は「明らかな懸念と認識する」と述べて中国を牽制(けんせい)した。
一方、米中の軍艦の異常接近が頻発する中で、米中間の取り決めが対立激化や誤解を避ける役に立っているとも指摘、「関係は行き詰まりではなく、進展している」との見方を示した。