ISIS戦闘員、最高指導者の「死闘」命令を無視 米軍司令官
ワシントン(CNN) 中東地域を管轄する米中央軍のジョセフ・ボーテル司令官は1日までに、シリア北部での最近の戦闘で過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の戦闘員が「死ぬまで戦え」との最高指導者の命令に背き、撤収する動きがあったことを明らかにした。
米国防総省で記者団に述べた。この命令無視が起きたのはシリアの少数民族クルド人部隊らがISISから奪取したマンビジュでの戦闘。最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者の命令を聞かず、戦闘員は北部へ退却したという。
その上で、ISIS指導部の指揮権限がどの程度戦闘員に及んでいるかについて疑問を呈した。ただ、ISISは中央指導部からの「指導」に頼る「強いネットワーク」を依然有しているとの見方も示した。
ボーテル司令官はまた、ISISが握る支配地の今後の動向について「同組織は守るべき地域の選別について厳しい判断を迫られる可能性がある」と指摘。イラク内の最大拠点とされる北部モスルについては、活動資金が稼げる地区や樹立を宣言したカリフ制国家の維持に重要な象徴的な地区を除いた支配地は放棄する可能性があると述べた。
モスルについてはイラク軍が今年末までの奪還を目指す作戦を進めているとされる。同司令官はモスルはISISの心臓部だけにその奪還作戦は過酷な戦いになるとも予想した。