オバマ氏、G20で各国首脳と会談 シリア情勢など焦点
クーデター未遂後にトルコ政府が取ってきた強硬策は、人権団体などから批判を浴びている。しかしトルコは米国にとって、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討作戦で共闘する重要なパートナーであり、協力を拒否すれば関係を損なう恐れがある。
一方でこの作戦をめぐっては、シリアのクルド人民兵を支援する米国と、敵視するトルコの間で意見が衝突し、両国の共闘関係に影を落としている。
シリア情勢関連では、アサド政権を支援するロシアとの対立も続く。オバマ氏とプーチン・ロシア大統領の正式な会談は予定されていないが、現地では米国のケリー国務長官とロシアのラブロフ外相がシリア停戦合意に向け、24時間態勢で協議を続けている。
米ロ関係はシリア政権をめぐる対立に加え、ロシアのウクライナ介入や米大統領選への干渉疑惑などもあって冷え込んでいる。両首脳がG20の場で顔を合わせる機会を通し、関係改善の糸口を見出せるかどうかが注目される。
オバマ氏は4日午前、EU離脱が決まった英国のメイ新首相とも会談した。オバマ氏は離脱に反対する立場を取っていたが、会談では米英間の「特別な関係」に言及。「米国にとって世界に英国ほど強固なパートナーはいない」と述べ、関係継続を図る意向を強調した。
メイ氏は会談後の共同会見で、EU離脱の手続きを粛々と進めていく姿勢を改めて示した。