韓国検察、大統領の友人を緊急逮捕 文書流出疑惑
ソウル(CNN) 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が民間人の友人に国家機密を漏らしたとして退陣を迫られている問題で、同国の検察は31日夜に渦中の友人、崔順実(チェスンシル)氏を緊急逮捕した。
崔氏は朴大統領の相談相手の立場で機密文書を受け取っていたとされる。
韓国の刑法によると、捜査当局は逃走や証拠隠滅の恐れがある人物を緊急逮捕することができる。検察は崔氏について「過去に海外へ渡っていて韓国内に住所を持たず、逃走の恐れがある。また非常に不安定な精神状態にあることから、釈放すれば不測の事態を招きかねない」と述べた。
検察は緊急逮捕から48時間以内に正式な逮捕状を取るかどうかを決める必要がある。
31日にソウル入りした崔氏は報道陣や抗議集団に取り囲まれ、激しい非難を浴びた。これに先立ち、「恐ろしい罪を犯してしまった」として謝罪を表明していた。
米南カリフォルニア大学(USC)韓国学研究所のデービッド・カン所長によると、崔氏の父親は1970年代に宗教団体を率いていた人物で、朴大統領は20代に入ったころから恩師と仰ぎ、大きな影響を受けていた。カン氏は崔氏らについて、「ロシアの怪僧」と呼ばれたラスプーチンのように朴大統領を操ってきたとの見方を示している。