対ISIS、「首都」ラッカでも奪還作戦開始 シリア
米軍当局者がCNNに語ったところによると、SDFはまずラッカ東郊を掌握してISISの逃げ道をふさぎ、モスルとの間の輸送路を断つ構えだという。
モスルには、ISISがラッカから自爆部隊を送り込んでいるとの情報が流れている。一方で、ISISの戦闘員が家族を連れてモスルから逃げ出し、バスでラッカ方面へ向かったとの目撃談もある。
米軍が主導する有志連合の報道官はCNNとのインタビューで、ラッカ到達までにはしばらく時間がかかるだろうと指摘。一方で、モスルとラッカを同時に攻めればISISの指揮系統を混乱させることができると説明した。
ラッカの街はモスルに比べて小さいが、ISISの本拠と位置付けられているうえ、シリア全体が米国やロシアも巻き込んだ内戦の渦中にあるため、作戦は難航が予想される。SDFに参加する地元民兵組織「クルド人民防衛隊(YPG)」は、有志連合とともに戦うトルコから「テロ組織」の指定を受けている。
SDFはラッカ市民に、ISISのメンバーが集まる場所は攻撃の標的になると警告し、近づかないように呼び掛けている。
ただ現地のCNN特派員によると、市民はメディアやインターネットからほぼ遮断され、だれを信じていいのか分からない心理状態に陥っている。ISISはかねて、クルド人部隊が襲来すれば市民が路上で虐殺されるとの脅しを繰り返してきたという。