プーチン氏、シリア和平協議を提案 全土停戦に向け
(CNN) ロシアのプーチン大統領は16日、訪問先の日本で行った記者会見で、シリア政府軍による同国北部アレッポの奪還後は同国全土での停戦の実現が次のステップになるとの認識を示した。トルコのエルドアン大統領との電話会談で和平協議の開催を提案したとしている。
プーチン氏はシリア国民が日常生活を送ったり自宅に戻ったりすることがシリア政府軍により可能になったとしたうえで、「次のステップとなるのは、すべての戦闘、すべての銃撃を止めるための合意だ」と述べた。協議の場所はカザフスタンになる可能性があるという。
プーチン氏はまた、先週、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が中部の古代都市パルミラを再び占領したことについて、シリア、ロシアと西側諸国の間の希薄な協力関係が招いたと指摘した。
シリアのアサド大統領は政府軍のアレッポ進攻を受け、動画サイト「ユーチューブ」に、同市の「解放」を祝う声明を発表。国民にも祝福を送り、「歴史はシリアの市民一人ひとりによって記述されていく」と述べた。
シリア政府はアレッポ全域を奪還する寸前の段階にある。アレッポの一部は4年以上にわたり反体制派が掌握していた。複数の情報筋はCNNに対し、アレッポ東部の一部は依然として反体制派の支配下にあると指摘しているものの、シリア政府はこの2週間で広範な地域を奪還してきた。
ロシアやシリアの国営メディアによると、15日以降に最大9000人がアレッポから9つの車列に分かれて移送された。ただシリア国営テレビなどは16日、避難が停止されたと伝えた。