アレッポからの避難が停止、国連事務総長「地獄と同じ」
(CNN) シリア政府軍がほぼ全域を制圧した同国北部アレッポをめぐる情勢で、国際赤十字委員会(ICRC)は16日、同市東部の反体制派が残る地区から数千人が避難する作戦が停止したと発表した。
赤十字やシリア赤新月社のスタッフ、世界保健機関(WHO)の関係者はアレッポ東部から立ち去るよう指示を受けた。
ICRCの中東担当報道官はCNNの取材に、「避難は停止された」と指摘。「避難を前進させられるよう関係勢力が合意に達することを望んでいる」と述べた。
国営シリア・アラブ通信(SANA)によれば、武装組織「ヌスラ戦線」がアレッポにとどまる民間人1250人の脱出を阻止したという。
SANAはまた、避難措置を一時的に停止した理由について、避難者の一部が武器や高度な通信機器を持ち出し停戦合意が破られたためだと伝えた。「特別な情報筋」によると、シリア政府軍が「テロ組織」が合意条項の全てを順守するとの保証を得られない限り、避難は再開しないという。
一方、在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団」は、一部地域からの数百人規模の退避が遅れていることへの抗議として反体制派が停戦を破ったとの見解を示した。
国連でシリアでの人道支援を指揮するヤン・エグランド氏は、「非常に成功していたアレッポ東部からの避難が停止した。孤児を含む数千人の市民が脱出を待っている」と憤りを示した。