「パパ抱っこして」、両脚失った男児が助け求める シリア内戦
(CNN) 立ち上る濃い煙のなか、幼い男児が地面に横たわり、苦痛の叫び声を上げている。膝から下の両脚が吹き飛ばされて立ち上がることができず、「パパ、抱っこして、パパ!」と泣き叫ぶ――シリア北西部イドリブ県を16日に襲った空爆とみられる攻撃の後の光景だ。反体制派の活動家らが18日までに、この様子を捉えた動画をソーシャルメディアに投稿した。
在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(SOHR)」は、たる爆弾によるこの攻撃はシリア政府軍の戦闘機が実施したものだとしている。CNNはどの勢力が攻撃したのか独自に確認できていない。シリア政府やシリア国営メディアからのコメントは出ていない。
反体制派の活動家らが投稿した写真には、男児が病院で治療を受ける様子が捉えられている。男児の名前はアブドル・バシト・サトゥフ君とされている。
今回の攻撃はイドリブ県南部の小さな村、ハビトを対象としたもの。同地域ではこれを含め10件の攻撃があった。SOHRの報告では、一連の攻撃で女性と子ども1人ずつを含む5人が死亡したとしている。
イドリブは2015年以来、反体制派の支配下にあり、現在はロシアとトルコが昨年12月に仲介したシリア全土での停戦が適用されている。国営シリア・アラブ通信(SANA)によれば、停戦はシリア政府に対し、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」などのテロ組織と連携していない全勢力への軍事作戦を停止するよう求める内容。