モスル空爆、現場で112人の遺体収容 民間人の犠牲拡大か
イラク北部モスル(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に支配されたイラク北部モスルの奪還作戦で、米軍主導の有志連合が空爆した現場から少なくとも112人の遺体が収容された。同国保健当局の高官が27日に語った。
奪還作戦で多数の民間人が犠牲になったとの懸念が強まっている。
イラク軍幹部は26日、有志連合が今月17日にISISの車爆弾を攻撃した空爆で、数十人の民間人が死亡したとの見方を示していた。有志連合側はこの地域で同日、空爆を実施したことを確認したが、米当局者らは同幹部の説明を公に認めていない。
マティス米国防長官は「我々ほど民間人の犠牲に敏感な軍は世界にも例がない」「罪のない死傷者をなくすため、常に全力を尽くしている」と強調した。
一方で国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル(AI)」は、空爆で死亡した民間人の多くが「攻撃の間は家から出るなというイラク政府の指示に従っていた人々」だと指摘する。
現地で調査に当たったAIのメンバーは、有志連合が民間人の犠牲を避けるために十分な措置を取らなかったことは「重大な国際人道法違反」だと批判。「イラク当局は住民らに自宅待機を繰り返し呼び掛けていた。有志連合軍には空爆で犠牲者が出ることが予想できたはずだ」と述べた。
AIは同時に、ISISが民間人を「人間の盾」に使った「恥知らず」な行為を非難している。