核兵器禁止条約、米など40カ国が交渉不参加を表明
国連(CNN) 米国のヘイリー国連大使は27日、核兵器禁止の国際条約締結を目指す初の交渉について、米国など約40カ国は参加しないと発表した。
ヘイリー大使は核大国の英国やフランスも含む約20カ国の国連大使と共同で、27日から始まる交渉への不参加を表明。母親であり、娘である立場から「家族のために、何よりも核兵器なき世界を望む」としながらも、「我々は現実的でなければならない」と指摘、「北朝鮮が核兵器禁止に同意すると誰が信じられるだろうか」と問いかけた。
昨年12月の国連総会で承認された今回の交渉には、米国のオバマ前政権も反対を表明。核保有国のロシアと中国も参加していない。英国のライクロフト国連大使は不参加を決めた理由について、「世界の核軍縮に向けた実効的な進展につながるとは思えない」と語った。
トランプ米大統領は先月の時点でロイター通信に対し、核なき世界を望むものの、そうでない場合は米国がトップに立たなければならないと述べていた。
米国などが直前になって不参を表明したことに対し、核廃絶を訴える団体などは強く反発。冷戦終結以来、核戦争の危険は最も高まっていると訴える。
これに対し、ヘイリー大使は交渉参加国について、「自分たちの国民のことを考えているのか。我々が直面している脅威について真に理解しているのか」と疑問をぶつけた。
条約は核兵器の使用、保有、開発を禁止し、将来的な廃絶に向けた目標を定める内容だった。