ミャンマーのロヒンギャ迫害、スーチー氏が「民族浄化」を否定
(CNN) ミャンマーの事実上の政権トップであるアウンサンスーチー国家顧問は、西部ラカイン州における少数派のイスラム教徒、ロヒンギャへの人権侵害を「民族浄化」だとする見方を否定した。
スーチー国家顧問は英BBCの取材に対し、「民族浄化というのは、現状を言い表すには強すぎる表現だ」と述べた。
3月には国連の李亮喜(イヤンヒ)特別報告者が、現地で起きていることは「人道に対する犯罪」に当たる可能性があると指摘。スーチー氏に対し「(ロヒンギャを守るため)もう少し声を上げるべき」だと述べていた。
李特別報告者の発言を受けてミャンマー政府の報道官は、「(政府は)人権侵害の可能性を伝えられたことを深く懸念しており、すでに調査委員会を立ち上げた」と述べた。
スーチー国家顧問は「現地ではさまざまな衝突が起きていると思う。当局に協力したと疑われたイスラム教徒が同じイスラム教徒に殺される事態も起きている」と説明。
「民族浄化といった問題だけでなく、立場の異なる人々の分断という問題でもある。この分断こそ、われわれが注目しようとしているものだ」と語った。