ジャカルタ州知事、イスラム教侮辱の罪で実刑判決
(CNN) インドネシア・ジャカルタ特別州の知事選で再選を目指した際の発言をめぐり、イスラム教を侮辱した罪に問われていたバスキ・チャハヤ・プルナマ知事が9日、禁錮2年の実刑判決を言い渡された。
インドネシア国民の大半はイスラム教徒だが、バスキ知事はキリスト教徒で、しかも少数派の中国系。先月の知事選ではイスラム教徒のアニス前教育文化相に敗れた。
知事選に向けた昨年11月の演説で、イスラム教徒の有権者が非イスラム教徒の候補に投票しても問題はないと主張するため、イスラム教の聖典コーランを引用した。この発言を編集した動画が公開され、イスラム教を侮辱したとして非難を浴びていた。
バスキ知事は裁判で無罪を主張してきた。オーストラリア国立大学でインドネシア政治を研究するグレッグ・フィーリー氏によると、宗教侮辱罪の裁判で有罪判決を免れた例は過去にほとんどない。検察は先月、憎悪扇動罪への格下げを勧告していたが、判事はこれを却下したとみられる。
フィーリー氏はこの判決を受け、同国では宗教侮辱罪を定めた法律が「法の支配」と民主主義の妨げになっていると指摘した。