ドゥテルテ比大統領、戒厳令の全土拡大に言及 過激派掃討で
(CNN) フィリピンのドゥテルテ大統領は24日、イスラム過激派掃討を理由に同国南部ミンダナオ島などに発令した戒厳令に触れ、過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を根絶させるため全土に拡大する可能性に言及した。
首都マニラでの記者会見で明かした。ISISが既にルソン島にも拠点を築き、テロの発生が遠い可能性の問題ではないと判断すれば、国民を守るため戒厳令の対象を全国に広げるかもしれないと強調した。
戒厳令の宣言は23日で、その対象地域はマラウィ市を含むミンダナオ島などだった。同市では23日、政府軍とイスラム過激派「マウテ派」との交戦が起きていた。同派はISIS系とされる。
比大統領府のアベリヤ報道官によると、戒厳令は60日間続く見通し。ただ、ドゥテルテ大統領は事態の推移によっては1年間維持させる可能性に触れた。
同報道官は、この戦闘で過激派は複数の政府省庁ビルを占拠し、教会や学校、刑務所に放火したことなどを確認。軍兵士3人が死亡し、12人が負傷したと報告した。25日時点で戦闘の有無などは伝えられていない。
フィリピン南部ではこれまでイスラム過激派のテロ活動が起きていた。マウテ派の他、過激派「アブ・サヤフ」も拠点を築いている。