NATO戦闘機、ロシア国防相の搭乗機に緊急発進
ワシントン(CNN) ロシア国営メディアによれば、北大西洋条約機構(NATO)に所属するポーランドのF16戦闘機が21日、ロシアのショイグ国防相の搭乗機の進路を妨害しようとした。
RIA通信とタス通信の特派員は、国防相の搭乗機からこの場面を目撃したと伝え、ロシアのスホーイ27戦闘機が翼を振って武力を誇示することにより、NATOの戦闘機を追い払ったとしている。
NATOは同日、バルト海上空で、戦闘機2機を含むロシアの航空機3機を追跡したことを確認。「同機が識別情報を明らかにせず、管制塔にも応答しなかったことから、NATOの戦闘機が既定の手順に従って、確認のために緊急発進した。搭乗者についての情報は入手していない。ロシアのパイロットは安全かつプロフェッショナルな行動を取ったと判断している」と述べ、全関係者が安全かつプロフェッショナルな対応をしたと言い添えた。
NATO戦闘機が追い払われたという情報については、「同機の識別が完了した時点で、我々のジェット機は手順に従って離脱した」と説明している。
ロシア国防省の運営するテレビ局は、今回の場面を撮影したとする動画をインターネットで公開した。
ショイグ国防相は、モスクワとポーランドの間に位置するロシアの飛び地カリーニングラードへ向かう途中だった。
ロシア国営メディアは、ショイグ国防相の搭乗機がカリーニングラードを発った時もNATOのジェット機に追跡されたが、それほど近くまでは接近しなかったと報じている。
バルト海上空ではこの2日前、米軍の偵察機とロシアのスホーイ27戦闘機の異常接近が伝えられていた。