電気も水も家もない、ハリケーンから1週間 カリブ海の惨状
英領タークス・カイコス諸島は停電が続き、ペットボトル入りの飲料水の供給は限られ、水処理工場の被害によって飲料水の供給もストップした。住宅や学校、政府庁舎、病院などにも大きな被害が出ている。
英国、フランス、オランダは対応の遅れを批判され、数千人の部隊を派遣するなど被災地支援を強化している。
赤十字やユニセフなどの非政府組織も支援に力を入れているが、現地からはまだ支援が足りないという声が相次ぐ。国連世界食糧計画によれば、カリブ海東部では20万人あまりが支援を必要としているという。
一部の島では商店などが略奪されたり、食品やガソリンを巡ってけんがが起きるなど治安の悪化も伝えられ、フランスやオランダは警官や兵士を増員して対応に当たっている。
英領バージン諸島では混乱に乗じて刑務所の受刑者100人以上が脱獄。これを受けて英国は兵士や警官を派遣した。
UNOCHAはカリブ海の島々がこうむったイルマの被害総額は100億ドル(約1兆1000億円)前後と推定。同地域のGDPの約15%を占める観光業にも大きな打撃が予想される。