ハリケーン被害、ドミニカで15人死亡 首相の自宅も破壊
プエルトリコ・サンフアン(CNN) 猛烈なハリケーン「マリア」に直撃されたカリブ海の島国ドミニカ国で、これまでに少なくとも15人の死亡が確認された。
マリアが通過したドミニカ国(人口7万3000人)は、21日夜現在も一部地域で暴風雨が続いた。沿岸部には高波が押し寄せ、先に同地を襲ったハリケーン「イルマ」の影響で水かさが増した川の水位が、さらに上昇している。ドミニカの西部に位置するハイチも高波に見舞われた。
ドミニカのスケリット首相は、全土がほぼ壊滅状態にあると述べ、「水道も電気もなく、通信サービスは非常に限定的」だと語った。当局者によれば、食料や水、医薬品を緊急に必要とする状況で、負傷者や行方不明者も多数出ている様子だが、正確な数は把握できていないという。スケリット首相自身も自宅が破壊された。
20日に上空からドミニカを撮影した映像では、何千本もの樹木がなぎ倒され、地面がむき出しになっている。山間部で土砂崩れが発生した痕跡も数十カ所で確認された。
米領バージン諸島では21日、知事が24時間の外出禁止令を出した。最も被害が大きかったセント・クロイ島では家屋が吹き飛ばされ、通信網も寸断されている。トランプ大統領は米領バージン諸島に大規模災害を宣言した。
マリアは週明けにかけて米東海岸に接近する見通しで、高波や暴風の影響も予想される。進路によっては大西洋に面した東海岸中部からマサチューセッツ州にかけての一帯に雨を降らせる可能性もある。