野党労働党が連立政権合意、女性首相誕生へ NZ
(CNN) 今年9月23日の議会(定数120)総選挙後、連立協議が続いていたニュージーランドの少数派野党ニュージーランドファースト党のウィンストン・ピータース党首は19日、野党労働党のジャシンダ・アーダーン党首を新たな首相に推すことで合意したと発表した。
同国で女性首相が誕生するのは3人目。労働党とニュージーランドファースト党の合計議席は55議席となる見通しで、政策実現のため少数派の緑の党や無所属系の8議員の協力を求めて過半数の61議席を図る。
総選挙で単独過半数を得た政党はなく、ニュージーランドファースト党との協議結果が連立政権の行方を左右していた。ピータース党首は同国議会で記者団に労働党との連立合意の詳細には触れなかったが、自らが副首相に就任することを示唆した。
ビル・イングリッシュ首相率いる与党国民党ではなく労働党を選んだことについては、変革を求める国民の投票を体現したものと説明。「権力構造の中にいる多数の人物は(社会の動向などを)把握していない」と主張した。国民党は2008年以降、政権を握っていた。
ピータース党首は選挙運動でのアーダーン氏の手腕を評価し、年間数千戸規模の値段が手ごろな民家を建設するとの選挙公約を支持した。
ニュージーランドファースト党は移民抑制を提唱しているが、同党首は問題なのは熟練技術を有する移民ではなく、技術を持たず大量に入国する移民との考えも示した。
総選挙では国民党有利との下馬評が強かったが、労働党は選挙直前にアーダーン新党首を選んで党勢を一気に盛り返し、選挙戦を接戦模様に持ち込んでいた。