「チェコのトランプ」が下院選で圧勝、首相就任か
(CNN) 21日に実施されたチェコの下院選(定数200)で「チェコのトランプ(米大統領)」とも呼ばれるアンドレイ・バビシュ氏の政党「ANO2011」が圧勝し、同氏が次期首相に就任する可能性が高まった。
ANOの得票率は30%を超え、2位の右派、市民民主党(ODS)の3倍近くに上った。
ANOは78議席を獲得して第1党となる。ODSは連立の可能性を否定しているため、過半数を占めて政権を確立するにはそのほかの2つ以上の政党と組む必要がある。
バビシュ氏は実業家として築いた資産や大衆迎合主義(ポピュリズム)の傾向で知られ、トランプ氏との共通点が指摘される。欧州連合(EU)への統合強化や共通通貨ユーロの導入には懐疑的な立場を示し、難民受け入れに反対を唱えてきた。
ANOはこれまで社会民主党、キリスト教民主同盟・人民党とともに連立政権を組んでいたが、世論調査でも他党を10ポイント以上引き離す勢いを示していた。
反移民、親ロシアを掲げる日系人トミオ・オカムラ氏の極右政党「自由と直接民主主義(SPD)」も現有を8議席上回る22議席を獲得した。
同じく親ロシアの立場をとる共産党の得票率は、チェコ独立後で最低の8%にとどまった。一方で新興政党「海賊党」が22議席を確保した。