カタルーニャの自治権停止へ、6カ月内に州議会選挙実施も
バルセロナ(CNN) スペイン北東部カタルーニャ自治州の独立問題をめぐり、ラホイ首相は21日、憲法に基づいて同州の自治権を停止し、プッチダモン州首相らを解任する措置を発表した。プッチダモン氏らはこれに強く反発している。
ラホイ氏が示したのは、プッチダモン氏や副首相、閣僚らを解任して州議会を解散し、6カ月以内の「できるだけ早い時期」に選挙を実施する計画。同氏は自治権停止の憲法発動について「我々が望んだことでも狙ったことでもないが、民主国家として法が無視されるのを認めるわけにはいかない」と述べた。
この計画は27日にも上院で審議される。上院は与党・国民党が多数を占め、一部野党もすでに賛成を表明していることから、同措置は承認される見通しだ。
州都バルセロナでは発表の後、大規模な抗議集会が開かれた。警察の推定によると約45万人が参加し、プッチダモン氏もこれに加わった。
同氏は続いてテレビ演説を通し、「カタルーニャはこの攻撃を受け入れられない」と訴えて州議会に審議を求めた。ただ、かねてから示唆していた正式な独立宣言には至らなかった。州議会の指導者やバルセロナ市長らも一斉にラホイ氏を非難している。
ラホイ氏は中央政府の動きについて、全ての国民、特にカタルーニャ州住民を守るのが目的だと強調。同州が独立すれば欧州連合(EU)や世界貿易機関(WTO)から離脱することになり、経済状況の悪化が予想されると指摘した。
スペイン検察当局者がCNNに語ったところによると、同州が独立を宣言した場合に備え、国家反逆罪の訴追手続きが進められているという。