英首相、ロシアの介入工作は「分かっている」 演説で非難
(CNN) 英国のメイ首相は13日、ロンドン市長が主催する恒例の晩さん会で演説し、ロシアが情報を武器にして各地で対立をあおり、欧米の民主主義体制を損なおうとしていると非難した。
メイ氏はロシアに対し、「あなたたちのやっていることは分かっている。そしてそれは成功しないだろう」と断言。「あなたたちは民主国家が立ち直る力、自由で開かれた社会が人々を引き付け続ける力、そして欧米諸国が同盟を守る意志を過小評価しているからだ」と述べた。
同氏はまた、ロシアがサイバースパイ行為やかく乱行為といった継続的な工作の一環として、選挙に介入したり偽ニュースを流したりしていると非難。ウクライナ東部で紛争を扇動し、欧州諸国の領空を侵犯し、オランダの政府機関やドイツ議会にハッキング攻撃を仕掛けてきたと指摘し、「英国は自己防衛のために必要な対応策を取る。同盟国の対応策にも協力する」と強調した。
ロシアや同国政府に関連するグループはこれまで、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票やスペイン東部カタルーニャ自治州の独立を問う住民投票、昨年の米大統領選に介入してきたとされる。
メイ氏の発言は、米国のトランプ大統領が最近、大統領選介入を否定するプーチン・ロシア大統領の言葉を「信じる」と述べたコメントとは対照的な、厳しい内容だった。
同氏はさらに、英国はロシアからの脅威に対抗するため、EU離脱に向かう中でも依然、欧州諸国との強固な経済的なつながりや北大西洋条約機構(NATO)を通じた欧州安全保障体制の維持に努めていると表明。一方で「冷戦に後戻りすることや、永続的な対立関係にとどまることを望んではいない」とも強調した。