政情不安のジンバブエ、首都は「平穏」 市民と雑談する兵士も
ジンバブエ・ハラレ(CNN) アフリカ南部ジンバブエで、軍の指導部が実権を掌握したとみられているが、市民の生活には大きな変化はないようだ。首都ハラレには軍用車も展開しているが、兵士と市民が雑談する様子などもみられるという。
ハラレ市内は平静だが、銀行前には行列ができている。主要地点には軍が検問所を設け、市内を装甲車が巡回。15日には複数の当局者が逮捕されたと報じられた。
ロバート・ムガベ国際空港には部隊が重点配備され、兵士が車両の検問や身元確認を行っている。ハラレ中心部の裁判所や政府庁舎前にも軍の装甲車が配備された。
メッセンジャーアプリを通じてCNNの取材に応じたハラレの住民は、市内の様子について「非常に静か」だと伝えている。
15日にハラレ中心部の政府庁舎前で何度も軍の車両とすれ違ったという大学生は、「それ以外は平常通り」と伝えた。主要拠点は軍に占拠されているが、「大統領府前にいた兵士たちは、通行人と雑談していた」という。
別の住民は、15日夜に旧大統領公邸の近くでクリケットの試合を観戦したといい、市内は静かで「軍は礼儀正しく、市民とうまくやっている」と説明。兵士に食料や飲料を配る市民もいるといい、「確かに不安はあるけれど、最善を祈っている」と語った。
市内にジンバブエ警察の姿はなく、軍のみが展開している。交通量は普段に比べると少なかった。
別の住民の女性によれば、商店は営業していて、バスやタクシーも普段通りに運行している。「多くの人は外出を控えている」が、「興奮した雰囲気」も伝わってくるといい、ソーシャルメディアでは事態を巡る憶測が飛び交っているという。