汚職疑惑のズマ大統領、与党ANCが退陣を要求 南ア
南アフリカ・ヨハネスブルク(CNN) 数々の汚職疑惑が取りざたされている南アフリカのズマ大統領をめぐり、与党アフリカ民族会議(ANC)は13日、ズマ大統領に対して、公に辞任を要求した。
辞任の要求がすぐにズマ大統領の退陣につながるわけではないものの、厳しい状況に陥りそうだ。ズマ大統領が辞任しなければ、議会で不信任決議が行われるが、ANCからの支持がなければ不信任決議が可決されることは間違いない。
ズマ大統領をめぐっては、いくつもの汚職疑惑が取りざたされている。1990年代の武器取引に関連するものだけでも780件を超える申し立てが行われている。
しかし、今、ズマ大統領に対して辞任を求める声があがったのはANCが生き残りをかけているという側面もある。ズマ政権下で、ANCは支持を失いつつある。2016年に行われた市議会選挙では大敗を喫し、主要な支持基盤だった一部の地域についても野党に奪われた。
いくつものスキャンダルに巻き込まれても、ANCはこれまでズマ大統領を支持してきた。しかし、2019年に総選挙を控えており、ANCがイメージを回復するには、早急にズマ大統領を退陣させる必要がありそうだ。
ANCは1994年にネルソン・マンデラ氏が同国初となる黒人の大統領として就任して以降、南アフリカを主導してきた。