元サッカーコーチに禁錮31年、少年12人に性的虐待 英
リバプール(CNN) 英国のリバプール刑事法院は19日、幼い少年に対する性的虐待を繰り返した罪で元サッカーコーチのバリー・ベネル被告(64)に禁錮31年の判決を言い渡した。
ベネル被告は、1979年から91年にかけ12人の少年に対して行った50件の性的虐待で有罪となった。被害者の年齢は8歳から15歳。
裁判官は6週間続いた公判の最終弁論の中で、コーチの立場を悪用した犯罪である点に言及。ベネル被告について「悪魔の化身だった。被害者たちから純真無垢(むく)な子ども時代を奪い、自らの倒錯した性的欲求を満たした」と述べた。
ベネル被告はイングランド北西部に拠点を置くクラブチームのクルー・アレクサンドラとマンチェスター・シティーでユースチームのコーチやスカウトを務めていた。2016年11月、長期に及ぶ性的虐待の事実が明るみに出ると、英国サッカー界全体を揺るがす一大スキャンダルに発展した。
同年、英紙でのインタビューで30年の沈黙を破り虐待について告発したアンディ・ウッドワードさんは、今回の判決を受け記者団に対し「刑期が何年であれ、被告にとっては十分ではない」と述べつつも「声を上げたことを誇りに思う。私がやらなければ、今日我々がここにこうして立っていることはなかった」と語った。
裁判所にはウッドワードさんに続いて名乗り出た被害者とその家族らも出席。判決の瞬間、互いに抱擁を交わしていた。
被害者の1人、スティーブ・ウォルタースさんはベネル被告から後悔の念はみじんも感じられなかったと説明。「計算高く、何かを企んでいるような様子は昔と変わらない。それでもようやく、子どもに対して犯した恐ろしい罪の報いを受けることになった」と語った。