南仏立てこもり 身代わりになった警官が死亡、死者4人に
(CNN) フランス南部オード県トレブにあるスーパーでの立てこもり事件で人質の身代わりとなり、容疑者に撃たれて重傷を負っていた警官が死亡した。
アルノー・ベルトラム氏(45)は23日、人質の女性1人と交代してスーパーに入ったところで首を撃たれた。コロン内相が24日に発表したところによると、同氏はこの時のけがが原因で23日夜に死亡した。事件の死者はこれで4人になった。
コロン氏と仏警察はともにツイッターで、同氏の勇気をたたえた。マクロン大統領も声明で「英雄の死」だと述べた。
コロン氏によると、ベルトラム氏は外部の警察に容疑者との会話が聞こえるよう、携帯電話が通じている状態でスーパーに入った。警察は銃声を聞いてただちに突入し、モロッコ系フランス人のレドゥアン・ラクディム容疑者(26)を射殺した。
仏司法筋によると、建物の中からは手製爆弾2個とけん銃、狩猟ナイフが押収された。
ベルトラム氏はイラク駐留や大統領官邸の警備を経験し、2012年には仏政府から最高勲章を授与された。昨年、オード県警察の対テロ副司令官に任命され、12月には今回の事件と同様のスーパー襲撃を想定した訓練を主導していた。
ラクディム容疑者はかねてイスラム厳格派サラフィー主義者とのかかわりをめぐり、警察に名を知られていた。目撃者らによると、スーパーを襲った時に過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の兵士だと名乗っていた。
警察は23日、ラクディム容疑者と「非常に近い」関係にあった女を拘束。24日にはもう1人、同容疑者の友人とされる00年生まれの男を拘束した。